外見オンチ応援カウンセラーの「脱・恋愛オンチ」 第11回

森理世よりもスザンヌ! モテるために目指すのは”隙のある女”

2009/05/19 12:00
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森理世だって立派な美人ですよ!

――美人でない人=外見オンチが、「美の格差社会」の中で、自分らしく生き抜くためにはどうすればいいのか? そこいらの美人だけが取り柄のエッセイストには書けない建前抜きの恋愛論。

 09年ミス・ユニバース日本代表に宮坂絵美里が選ばれた。応募者数4,000名の中から頂点に立った彼女は、東京都生まれの24歳のモデル。

 「他を圧倒する抜群の存在感で、満場一致で審査員の票を獲得」だと言う。

 「外見オンチ」組の私には、とんと縁のない話。


 森理世(2007年のミス・ユニバース世界大会第1位)を育てた美のプロデューサーでもあるイネス・リグロンが、「絵美里は、まるでジャパニーズバービー人形のように日本人らしいルックスを持っている人。ジャパニーズビューティが世界のステージで、どこまで勝負できるか。絵美里とともに新たな挑戦に挑んでいきたい」とコメントしていた。

 美のプロデューサーによって、天然美人の中でも「before、after」美女がつくられていく。

 8月にバハマで行われる世界大会で、森理世、知花くらら(ミス・ユニバース2006年世界大会2位)に続く存在になるのか。

 私は自著『天然ブスと人工美人 どちらを選びますか?』(光文社新書)の中で、『「ミスコン」世界一の森理世さんはなぜ叩かれた』と書いた。中村うさぎさんと3月に「女性自身」(光文社)で「”顔”ってなに?」という対談をした時も、森理世の顔のことが話題になった。以下、自著から抜粋。

 メディアがこぞって、世界一の美人にフォーカスした。だが、日本では「なんで、あの人が?」「ティアラの提供元がミキモトだから」「知花くららさん(ミス・ユニバース2006年世界大会2位)はとってもきれいだったのに」「本当に美しい女性なんて世界中にもっといるはず」と、ネット上でも酷評されていた。やっかみ、ジェラシーレベルではない。

 週刊誌でも「態度が悪い」「美人じゃない」とバッシングされ、ひじょうに評判が悪かった。ミスコンのためのコーディネーターがついていたことも紹介されていた。

 森さんには何の落ち度もない。日本にも世界で競える美女がいることを広めてくれた功労者であるはずなのに、バッシングばかりが目立った。ミス・ユニバースに対する期待度が高すぎるのもあるだろうが、批判を見ていて、日本人の好みや美的感覚に彼女がマッチしていないと感じた。

 おばかキャラのスザンヌがもてて人気だが、男からいえば「手を差し伸べてあげたくなるような女」「ちょっとした隙を自分に埋めさせてくれる女」がいいのであって、森理世は隙がなさ過ぎ。癒やし系ともほど遠い。その点、知花くららはまだ隙がある。

 世界一の美の栄冠を手にしたとき、森理世は「私はこれまで、楽しく、そして忍耐強く、ポジティブに生きることを学んできた。これらのことを次の世代にも伝えていきたい」とコメントしていた。

 受賞の瞬間にも「涙を見せず」と書かれていた。手の中で動いてほしい、泣いてほしい時は泣いてほしいメディアにとって、きれいでも、メディア受けしない「おもしろくない女性」なのである。

 半歩くらい下がって男についてくる女性でないと、「美のヒエラルキー」上位組であっても、日本ではかなりウケが悪い。世界と日本の美のヒエラルキーでは違うのだ。

 「美のヒエラルキー」上位組のかっこいい女性というだけでは、憧れの存在だとはいえないことが、森理世のケースで分かった。

 今年の日本一の美女の宮坂絵美里が、受賞の翌朝、フジテレビ『とくダネ!』にさっそうと出演していた。パネルに書いた彼女の自筆文字を見て、なんだかげんなり。どうやらわたしには、日本一の美女は字もきれいであってほしいという、思い込みがあるようだ。

 また、「規則正しく、美のヒエラルキー頂点を日々、目指してます!」というような1日のタイムスケジュールを出していた。朝食もきっちりと1時間かけてとっているという。その食事はお母さんがつくってくれるのだそうだ。「なんだよ! お母さんがつくってるのかよ!」とつっこみを入れてしまった。

 わたしも、選ばれた美女にはかなり厳しい。

 宮坂は受賞したとき、「自分をアピールすることの大切さ。自分を自分の言葉で、アピールできることは本当に素晴らしいことだと思う。また強い精神力をつけることができたと思う。落ち込んだときにどう這い上がるか。自分らしさを大切に、世界大会でも日本人の代表として戦ってきたい」とコメント。

 森理世に似ていて、「ぱきぱき組」の女性だ。

 もて女を目指すには、かっこいい女性よりもかわいい女性を目指すべきである。世界一の美女を目指せなくても、目指すは癒し系。

 といっても、「外見オンチ」で「ぱきぱき組」のわたしにとっては、とほほな話でもある。

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山中登志子(やまなか・としこ)
1966年生まれ。編集家。占いスペース「桜」(新宿西口)、「通販あれこれ」経営。お茶の水女子大学卒業後、リクルート「就職ジャーナル」、「週刊金曜日」編集部に在籍。200万部ベストセラー『買ってはいけない』の企画・編集・執筆者。『外見オンチ闘病記』(かもがわ出版)出版後、外見オンチ応援カウンセラーとして活動開始。最新の共著に、スピリチュアルカウンセラーの”ホンモノ度”を格付けした『第2の江原を探 せ!』(扶桑社)がある。(※占いスペース「桜」でご予約の際、「サイゾーウーマンを見た」と言っていただいた方は、どの先生の鑑定も10%OFFになります)

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最終更新:2019/05/17 21:03
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