外見オンチ応援カウンセラーの「脱・恋愛オンチ」 第10回

疑惑の顔を持つ女「押切もえ」は、天然ブスのよき理解者!?

2009/03/03 12:00
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『モデル失格──幸せになるためのアティ
チュード』(小学館)

――美人でない人=外見オンチが、「美の格差社会」の中で、自分らしく生き抜くためにはどうすればいいのか? そこいらの美人だけが取り柄のエッセイストには書けない建前抜きの恋愛論。

 ファッション誌「AneCan」(小学館)のトップモデル押切もえが、『モデル失格──幸せになるためのアティチュード』(同)を出版した。

 「モデルとしてのコンプレックス、不遇の時代、絶頂期の事故…決して順風満帆とは言えない半生を振り返りつつ、どんなときも努力をおこたらない、あきらめない姿勢の秘密=『HAPPYの見つけ方』に迫」った本だそうだ。 

 押切もえが自分の「顔」のことをどう書いているか、「外見オンチ」組のわたしには興味津々だ。

 というのも、「週刊新潮」2008年5月1・8日号(新潮社)の特集記事「なぜか顔が変わった芸能人」を思い出したからだ。

 その記事には「にわかに目が大きくなったり、二重になったり、顔だちがくっきりしてきたり……」とあり、「顔が変わった芸能人」として「本仮屋ユイカ、竹内結子、伊東美咲、押切もえ、小西真奈美、釈由美子、熊田曜子、夏川純、加護亜依、後藤真希、浜崎あゆみ、宇多田ヒカル、倖田來未、BoA、深田恭子、小倉優子、亀梨和也、生田斗真、森進一、森昌子、川島なお美、榊原郁恵」の名前が挙げられていた。

 ネット上での噂ではなく、「週刊新潮」の記事である。

 といっても、「顔が変わったというと、口さがない輩は、すぐに整形疑惑などと言い立てるが、ここで取り上げた面々に尋ねても、誰も整形などしていないという。いずれにせよ、芸能人たちが、なぜか美しくなる変貌を遂げるのは、われら眺める側にとっても、美顔を手にした当人にとっても、大いに結構ではないか」と記事を締めくくっていて、変わった顔の理由を美容整形だと断定した記事にはなっていない。

『モデル失格』に、顔に関することがいくつか書いてあった。

■モデルとしての私のこれまでの道のりは、決して楽なものではありませんでした。……(中略)……そもそも私は完璧な顔立ちではありません。モデルとしての体形、身体的限界については、いつも悩んできました。何もかもうまくいかず、物事をマイナスにしかとらえられない時期もありました。
 こうしていつからか、私は自分のことを「モデル失格」だと思うようになったのです。

■そして顔は、美人というより「ファニーフェイス」。目鼻立ちがはっきりしているわけでもなく、鼻と口は小さめで、輪郭も丸い。いわゆる「美少女」ではありません。

 そんな押切もえは、「似合うメーク」を徹底的に研究しているようで、

■目が大きく見えるアイシャドーの入れ方を研究したり、グレーより茶系のアイメークにすることで黒目を際立たせたりするなど、持っているパーツを生かし、愛嬌のある「かわいさ」を引き出すことに徹しました。

 わたしには、目鼻立ちがはっきりしている顔立ちに見えるのだが……。また、「私の体はとにかくコンプレックスだらけ」と言い、「自分でも自覚しているとおり、私はいわゆる『美人顔』ではありません」と書かれてあった。

 わたしは、2月17日に『天然ブスと人工美人 どちらを選びますか?』(光文社新書)を出版した。

「美の格差社会」をどう生きるかはわたしの永遠のテーマで、天然ブス・人工ブス・天然美人・人工美人の分析、美容整形の覆面取材から、「外見オンチ」への処方箋を示した。私的「美人論&ブス論」となっている。

 天然ブスとは、「個性的だね」や侮辱的な言葉を言われた人たちで、人工美人とは、美容整形など何らかの外的な手を加えて”他力”で”美”を手に入れた人たち、といった分析もしている。

 押切もえは『モデル失格』で、「『ココが嫌い』と蓋をしてしまう前に、生かす努力をしてみる。そうすると、意外と好きになれるものです。自分の個性を生かすも殺すも、ほんとに自分次第なんですね」とアドバイスしていた。

 まったくその通り! 「なんだ! 同じことを言っているじゃない」と思った。

 といっても、カリスマモデルとして絶大な支持を集める彼女と違って、わたしの『天然ブスと人工美人』のほうは「外見オンチ」からのアプローチ本だ。また、押切もえは、巨人の野間口貴彦投手と交際が噂されている、いわゆる恋愛勝ち組だ。

 『モデル失格』の帯に「元気が出ます! 10万部突破!」とあった。この出版不況のご時世の中、1カ月でこの好調な数字。わたしのほうは、10分の1にもなっていない。

 「外見オンチ」は、恋愛だけではなく、こんなところまで”ひがみ”で見てしまうのだ。

 さて、本のタイトル通り、男たちを捕まえて「天然ブスと人工美人、どっちを選ぶ?」と聞いてみた。

「……程度によるよ」「困るなあ。答えないといけない?」「究極の選択だね」「比較対象がないと答えづらいよ」といった答えが返ってきたり、「顔で、女性を選んでいない」と、精神的価値観をとくとくと語った男性もいた。いままでの恋愛体験を基に「価値観があう女性がいい」「一緒にいて楽しい人がいい」「美人とかブスとか関係なく、好きになった人の顔が好き」と、質問をすり替えて答えた男性もいた。

 本著では、十数人のサンプル調査にすぎないが、もっと大々的に「天然ブスと人工美人、どっちとつきあう?」「天然ブスと人工美人、どっちとセックスする?」「天然ブスと人工美人、どっちと結婚する?」「天然ブスと人工美人、子どもの母親はどっちがいい?」といったアンケートを今度、どこかでやってもらいたいと思っている。

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山中登志子(やまなか・としこ)
1966年生まれ。編集家。占いスペース「桜」(新宿西口)、「通販あれこれ」経営。お茶の水女子大学卒業後、リクルート「就職ジャーナル」、「週刊金曜日」編集部に在籍。200万部ベストセラー『買ってはいけない』の企画・編集・執筆者。『外見オンチ闘病記』(かもがわ出版)出版後、外見オンチ応援カウンセラーとして活動開始。最新の共著に、スピリチュアルカウンセラーの”ホンモノ度”を格付けした『第2の江原を探 せ!』(扶桑社)がある。(※占いスペース「桜」でご予約の際、「サイゾーウーマンを見た」と言っていただいた方は、どの先生の鑑定も10%OFFになります)

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最終更新:2019/05/17 21:03
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