一見さんお断り?

博多「一蘭ラーメン」は、ニューヨークでは「会員制」!?

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博多「一蘭」のニューヨーク版「Ichiran NY」のある通り

 2007年7月に「せたが屋」、昨年3月に博多「一風堂」がオープンし、現地メディアでも話題になるなど、にわかに日本のラーメン・ブームがやってきた感のあるニューヨーク。

 このブーム以前にもラーメン屋は存在したが、中国系や韓国系のオーナーの店がほとんど。在住日本人の間では「ニューヨークでは日本レベルのおいしいラーメンを食べるのは不可能」と言われていたくらいだから、相次ぐ日本のラーメン屋の進出はうれしい限りだ。

 ところが先の2店に続き、ニューヨーク・ラーメン界へ打って出る「3番目の刺客」として注目されていたあの博多「一蘭」が、妙なことになっている。


 「一蘭」は、07年6月に現地法人「Ichiran USA」を設立。同じ博多の「一風堂」に次ぎ、昨年夏にもオープンの予定とされてきた。07年8月、「Ichiran NY」という掲示が店舗予定地の建物に出された途端、現地グルメ掲示板の「Chowhound」で書き込みが殺到するなど地元ニューヨーカーにも注目され、「New York Magazine」誌など大手メディアでも店舗予定地の住所が公開され、在住日本人たちの間でも噂になっていた。

 ところが09年1月の現段階で、オープンの兆しはなし。あろうことか、しっかり鍵が閉まって暗い店舗の壁には、「~『一蘭 会員限定店舗』のお知らせ~」と、日本語と英語で掲示が出ていた。日本の同店は一時期会員制だったことがあるが、もちろんニューヨークでは、「会員制のラーメン屋」などいまだ聞いたことがない。

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店舗壁の張り紙

 曰く、同店は現在正式オープンに向け、「全力をあげて準備」しているが、「”日本と変わらない美味しさを実現させる為”」の、「原材料の調達と研究に十分な時間をかけて」いるとのこと。「究極の『とんこつラーメン』を追求する為」にはもう少し時間が必要、なのだそうだ。

 このため、しばらくは「会員限定店舗」とし、「不定期かつ特定日」に食べられる日というのを設け、事前に申し込んだ会員に店から連絡するという。掲示の横の壁には、名前と住所、電話番号、Eメールアドレスを書き込む小さな申し込み用紙を入れた箱が取りつけられ、紙を投函するためのポストもあった。それだけならまだいい。会員として登録できるのは、「徒歩圏内にお住いの方のみ」なのだ。無体である。

 ちなみに店舗の場所は、ラーメン店や日本食レストランの集中するマンハッタンのイーストビレッジ地区、及び日本人駐在員の活動エリア・ミッドタウン地区などではなく、マンハッタンから川1本渡ったところにあるブルックリンのグリーンポイント地区。おしゃれなカフェやバー、ブティックなどがどんどんオープンし始めた、今注目のヒップな地域ではあるのだが、伝統的に住んでいるのはポーランド系移民が多く、特に日本人エリアというわけではない。交通の便も悪く、「マンハッタンで飲んだ帰りにちょっとシメのラーメンを」と足を伸ばすのも、億劫になりがちなところ。この地区にオープンすると最初に聞いた時は、首をかしげた。

 「Japanese Ramen」はアメリカ人の間でも注目されているとはいえ、寿司よりまだまだ認知度は低い。そんななか、「会員制」しかも「近隣住民のみ」という在住日本人をまったく歓迎しない態度は、いかがなものか。意図的にアクセスしにくい店に仕立てることで、エクスクルーシブ感を出しニューヨーカーの興味を煽る、という作戦だとしても……日本のラーメン文化がまだ浸透していない当地では、時期尚早の感が否めない。ちなみに現地メディアの重鎮、「New York Magazine」誌もウェブサイトにてこの掲示を取り上げ、「日本の味に近づけようとしている間に、内輪向けの微妙な店になりそう」とチクリ。

 個人的には、めでたくグランドオープンした一蘭で、あの「味集中カウンター」に小さくまとまってラーメンをすするアメリカ人たちを見てみたい気もするが……。一蘭のこの「味へのこだわり」がぴったりはまるのか、それとも「気張り過ぎ」に終わるのか、いずれにせよ今後に注目したい。
(井)

『夜中にラーメンを食べても太らない技術』 (扶桑社新書)

味よりもまずはこっちが気になる

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