[TVツッコミ道場]

カット、ぼかし、傾け……お見事! NHKの商品名隠しワザ

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銭湯に行かない人にはわからないかも?ケロリン桶
photo by yukogets from flickr

 今回ツッコませていただくのは、12月18日放送の『知るを楽しむ選 歴史に好奇心』という、NHKの教養番組。

 過去の回のセレクション放送なのだが、この日やっていたのは、「あ~極楽の銭湯史」と銘打った、4回シリーズの最終回。進行役である落語家の柳家花禄と林家きく姫が、庶民文化研究家の町田忍を迎え、昭和以降、現在のスタイルになった庶民の憩いの場だった銭湯について掘り下げていく。

 銭湯の建築が、なぜ神社仏閣のようなつくりになったのかといった話や、壁に描かれた富士山のペンキ絵の話などが続いたあと、銭湯ではおなじみの、「ケロリン」の文字が印刷された、黄色い桶の話になった。


 この「ケロリン」桶についてのうんちくは、銭湯雑学では割合よく登場する話ではある。しかし、その映し方に、NHKの神髄を見た気がした。

 公共放送であるNHKは、原則的に具体的な商品名や企業名を流さないというのは周知のことで、視聴者のほぼ全てが「ケロリン」ということは分かっていても、商品名は流さないというのが”お約束”である。

 とはいっても、本当に見事なまでに「ケロリン」という文字を、全表示させない。単にボカシやモザイクを入れるのではなく、「ケロリン」という4文字が、単独で全部表示されなければOKというのがラインになっているのだろう。そのために、いかに全部表示しないかというところに趣向を凝らした映像が、このあとしばらく続く。

 まずは出演者が桶を手にして、「よく見かけますよね、いろんな銭湯で」と言いながら映し出された桶には「ケロリ」の文字。「ン」だけが映らないような角度に傾けて持っている。その後も、「ケロリ」とか「ケロ」とか、全部が映らないように、傾けながらのやり取り。これきっと、リハーサル段階で「あと気持ち手前に」とか「もうちょっとだけ下げて」とか、相当細かく打ち合わせたんじゃないだろうか。

 続いて、VTR映像で「ケロリン」の、広告の歴史を振り返るコーナー。ここでも、パッケージが映っては「ケロ」「ン」など、絶妙な配置に重ね合わせて映す。CMソングの歌詞カードを映しては「ロリン」、薬箱全体を映したいときには、そこは全部黒く塗りつぶす。

 とにかく映るたび映るたび、「ケロ」「ケロリ」「ロリン」……。「ケロリン」の文字上半分をフレームからはみださせたり、桶から裏返った状態で見せたり、とにかくいろんな技を次々に駆使してくる。パッケージや桶を複数重ねて、商品名が全部映り込まないようにする技もあるし、アドバルーンや街頭広告の資料写真のときには、「ケロリ※」と、一部ボカシを入れていた。CMソングの楽譜を映したときには、商品名の一部をフレームの外に出して「リンの歌」としたがために、作曲者の「服部良一」の名前まで切れてしまって「部良一 作曲」となっていた。

 いっそ全部ボカシでもよかろうに、いかに映さない撮り方をするかの技自慢のような映像に、テレビに向かって思わず「すげーなNHK」と、素直に拍手。
(太田サトル)

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